鹿児島市本港新町の「いおワールドかごしま水族館」は12日、イルカの「ミルキー」が9日に生んだ雄のイルカの赤ちゃんが生後3日目の11日午後9時すぎに死んだと発表した。

出産は順調で、ミルキーが水面に押し上げて呼吸させたり、寄り添って泳いだりしていたが、ミルキーの尾びれ近くにあるおっぱいを見つけきれず授乳できなかった。衰弱死とみている。

荻野洸太郎館長（63）によると、国内の水族館でイルカの赤ちゃんが1年後まで生存する割合は約2割。おっぱいを見つけきれないケースも多いという。イルカは泳ぎながら授乳するため、母子の呼吸が合わないとうまくいかない。同館は、ミルキーが初産だったことも影響したとみている。

同館のイルカの出産は3例目。過去2例も出産直後に赤ちゃんが死んだ。館内に特設したボードには子どもたちから多数寄せられた応援メッセージが掲示されていた。

鹿児島市役所で会見した荻野館長は「感動と失望の2日間だった。子どもたちの期待に応えられず残念」と無念の表情を浮かべた。同館ではイルカの「テンテン」も妊娠中で、来年2月に出産予定という。

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