従来の10倍以上の生産効率で油を取り出すことができる藻の仲間を筑波大学の研究グループが新たに発見したと発表することになり、バイオ燃料としての実用化に弾みがつくと期待されています。
筑波大学の渡邉信教授の研究グループによりますと、「オーランチオキトリウム」という藻の仲間で、沖縄県で採取されたものの中に油を大量に生成する個体が見つかったということです。これは、研究グループがこれまで研究してきた藻に比べて油の生産効率が10倍以上に当たるということです。
藻を使ったバイオ燃料の開発を巡っては、ほかの植物などに比べ生産効率が高いものの、1リットル当たり800円程度かかるため、コスト削減が課題でした。しかし、今回発見された藻の仲間を使うことで、1リットル当たり50円程度で生成できる見込みだということで、バイオ燃料としての実用化に弾みをつけるものと期待されています。
研究グループ代表の渡邉信教授は「高い潜在力を持った生物が見つかったので、10年先くらいをめどに実用化にこぎ着けたい」と話しています。この研究成果は、今月14日に茨城県つくば市で行われる藻類の国際学会で発表されることになっています。
http://www.nhk.or.jp/news/html/20101210/k10015764781000.html